介護におけるヒヤリハットとは
ヒヤリハットとは何かを知る
ヒヤリハット報告書
介護現場では、ひとつ間違えば重大な事故につながっていたという場面がよくあります。ヒヤリハットとは、事故に至る可能性のあった出来事を発見することです。介護現場では、ひとりの職員が同時に複数人の利用者さんを見守らなければならない状況が多くみられます。すべての職員が、介護現場でヒヤリとした事例、ハッとした事例を共有し、事故を未然に防ぐために、ヒヤリハット報告書を作成しています。ヒヤリハットの語源は、「ヒヤリとした」「ハッとした」という、事故につながる発見が語源となっています。ヒヤリとする場面はひとりひとり感じ方が違っており、個人差があります。個々が感じたヒヤリハット事例を、すべての職員が共有することで、個人では発見できなかった危険がある場面をみつけることができます。個々が感じた、危険を察知するための気づきを数多く集めるために、ヒヤリハット報告書は重要なのです。ヒヤリハット報告書を職員間で共有することで、介護現場でおこしがちな間違いや、利用者さんを事故から守ることができます。介護現場のリスクマネジメントにヒヤリハット事例は役立つのです。
ヒヤリハット報告書をまとめる
ヒヤリハット報告書には、「いつ・どこで・何があったのか」をわかりやすく記載します。さまざまなヒヤリハット事例のなかから、どんな人でもおこしやすい事故事例を洗い出します。そして、その原因を分析します。「いつ・どこで・どんな人がヒヤリハット事例に遭遇するのか」明確にし、リスクを軽減するのです。ヒヤリハットをまとめた報告書は、週や月ごとに整理しておくとわかりやすくなります。スタッフの名前を記入していれば、スタッフの業務内容がわかりやすいので、どんな状況でヒヤリハットに遭遇しやすいのかも認識できます。ヒヤリハット報告書をまとめることで、業務マニュアルの改良や新人教育にもつながります。
ハインリッヒの法則
アメリカのハインリッヒ氏が発表した「ハインリッヒの法則」というものがあります。ハインリッヒの法則とは、「1件の重大なことの背景には、29件の軽微なケガを伴う災害があり、その背景に300件の無傷の災害がある」というものです。ハインリッヒの法則から、小さな気づきで重大な事故を防ぐことができるということがわかります。
利用者さんが転倒したがケガはなかったので問題はないという認識でとどまるのではなく、利用者さんが転倒したという事例の背景にあるさまざまなリスクを考えることが大切なのです。ヒヤリハット報告は、少ないほうがよいのではなく、細かな観察によって発見されたリスクをたくさん報告することに意味があるのです。
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ヒヤリハットについて学ぼう
介護におけるヒヤリハットとは
ひとつ間違えば重大な事故につながる「ヒヤリハット」は、介護現場でもたびたびあります。実際に事故にならないよう、介護現場では「ヒヤリハット報告書」を職員間で共有して、意識の徹底に留意。ヒヤリハット報告書をとおして、リスクが大きい場面や状況を把握する大切さについて説明しています。
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リスクマネジメントの重要性
なぜ重要なのか理由を知る
介護現場において、リスクマネジメントが必要な理由を詳しくご説明しています。また、リスクマネジメントは介護を受ける側だけではなく、行う側のためでもあることについても解説。双方にとって不幸にならないためにも、組織をあげて策を講じることが重要です。
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