誤嚥によって引きおこされる窒息や肺炎のリスクマネジメント

ベテランでも確認しておきたいポイント

介護現場に精通している職員も、再認識してほしいのがリスクマネジメントです。介護現場でおこる事故の例を取りあげ、注視すべきポイントを解説していきます。介護現場での小さな変化に気づける観察力を備えましょう。

窒息・肺炎につながる可能性もある「誤嚥」

高齢者が陥りやすい誤嚥とは

重大事故につながる誤嚥

介護現場で高齢者に多くおこる誤嚥について、詳しく解説していきます。誤嚥とは、飲み込む際に、本来であれば入るはずのない咽喉や気管に食べ物が流れてしまう状態のことです。誤嚥がおきると窒息に至り、命を落とす可能性があります。そして誤嚥は、誤嚥性肺炎を引きおこすきっかけになります。今回は誤嚥が引きおこされる原因や、介護職員が注意するべき誤嚥のタイミングを紹介します。重大な事故をおこすきっかけとなる誤嚥のケースを記録したものがあれば、誤嚥を防ぐマニュアルを考えることができます。誤嚥がどのような状況下でおこりやすいか知識を持っておきましょう。

誤嚥性肺炎とは

口腔ケアができていない場合にもおこる、誤嚥性肺炎について紹介します。誤嚥性肺炎は、唾液や胃液が誤って肺に入り、細菌が繁殖する疾患です。誤嚥性肺炎が引きおこされる原因は、食事中の咽喉です。高齢者の場合、飲み込む力が徐々に弱くなるため、誤嚥は比較的容易におこります。高齢者は、嚥下機能が低下することで、窒息に至るケースもあるのです。高齢者の食事中は注意が必要です。
高齢者でなくても咳込むことによって、誤って食べ物が気管に入ってしまうケースもあります。しかし、高齢者にとっては、咳込むことがきっかけとなり重大な事故につながる場合もあるのです。誤嚥性肺炎も偶発的におこる重大な事故です。誤嚥は、就寝中におこる唾液や胃酸の逆流で引きおこされる場合もあります。通常であれば唾液や胃酸があがってきても、寝ている際、無意識に飲み込むことができます。しかし上手く飲み込めなくなると、気管に入り込みむせることもあります。就寝中の唾液を飲み込めないことが原因で、誤嚥性肺炎に発展するケースもあるのです。誤嚥性肺炎となる原因はさまざまな場面で引きおこされるため、注視しなくてはいけません。
誤嚥性肺炎について詳しく知りたい方はこちらのサイトを見てみるのはいかがでしょうか。

高齢者や神経疾患などで寝たきりの患者では口腔内の清潔が十分に保たれていないこともあり、この場合、口腔内で肺炎の原因となる細菌がより多く増殖してしまいます。

引用元:一般社団法人日本呼吸器学会

一般社団法人日本呼吸器学会は、学術講演会の開催や機関誌発行などで社会活動を幅広くおこなっています。病気に関する情報は症状の概要やメカニズムはもちろん、治療法や日常生活での注意点も掲載されています。

誤嚥発生のタイミング

誤嚥は飲み込むタイミングさえ注意すれば、リスクはないと考えがちです。しかし、誤嚥発生のタイミングで注意しなければならないのは、飲み込むときだけではありません。誤嚥発生のタイミングで最初に注意しなければならないのは、噛んでいるときに気道に食べ物が流れ込んでしまう場合です。また、次に注意するべきタイミングは、食物を飲み込む際に気道に入り込むときです。最後に、喉に残ったものが気道に入り込む場合です。また誤嚥発生のリスクは、寝ているときにもあります。寝ていて気がつかずに誤嚥がおきるケースです。誤嚥を繰り返してしまうことで誤嚥性肺炎を引きおこしてしまうので、タイミングをみてリスクマネジメントに取り組みましょう。

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